5月6日(現地時間)、モンゴルの首都ウランバートルの常設サーカス場で同国の新格闘技プロモーション『ZEV』(ゼブ)が旗揚げ。64㎏級と67㎏級の4人制のワンデートーナントが行なわれた。
会場には来る5月28日、名古屋で開催のホーストカップが昨年11月にスタートしたキックボクシング振興会と合同で開催するメガ・イベント『K・ING』のアーネスト・ホースト(エグセクティブ・プロデューサー)や土居龍晴代表も来場した。ホーストはモンゴルでも知名度があり、紹介されると大歓声で迎えられた。
64㎏級の方では優勝候補のバットゲレルが一回戦のバットエデルネ戦でカットによる出血で負傷判定負けする波乱の幕開けに。結局、決勝は一回戦でガントグトフを破ったエンフバヤルが疲れが見えるバットエデルネから3Rにローキックでダウンを奪い、文句なしの判定勝ちを収めた。
一方、67㎏級は優勝候補のムンフォドが期待通りの動きを見せる展開に。一回戦ではオトゴンバートルから2Rと3Rに右フックでダウンを奪って大差の判定勝ち。その勢いで決勝では一回戦ではムンフバートルをパンチとヒザで攻め込み戦意喪失のダウンを奪って決勝に駒を進めたバットバヤルから1R早々ローキックでダウンを奪う。立ち上がってきたバットバヤルだったが、日本から派遣された朝武レフェリーに背中を向けたまま、闘う意志を示さなかったためムンフォンドが1Rレフェリーストップ勝ちを収めた。
エンフバヤルとムンフォドは朝青龍選抜モンゴル軍の代表として5・28『K・ING』に出場する。エンフバヤルは大石駿介と、ムンフォンドは大和侑也との一騎討ちだ。選抜モンゴル軍──チーム朝青龍の団長でモンゴルの国民的英雄である元横綱の朝青龍ことドルゴルスレン・ダクワドルジ氏は「今大会に出場した8名はいずれもモンゴルのトップ選手。わが国の選手は総じてパワーと勇気があり、つねに突進し続ける。名古屋でも楽しみだね」と太鼓判を押す。
かつて日本のキックのリングでは現ONE FC王者のジャダンバ・ナラントンガラクやシノブ・ツグト・アマラ(花戸忍)が活躍した例がある。久々にモンゴル旋風が吹き荒れるか。 (スポーツライター 布施鋼治)