先日、7月24日に当ジムに練習に来ていたダニロ選手と、健太選手のRISEウェルター級タイトルマッチが東京後楽園ホールであり、RISE様にご招待いただき伺わせて頂きました。
両者は昨年12月27日に名古屋国際会議場で行われた当ジム主宰「HOOST CUP FOREVER」で対戦しそのときは延長の末、健太選手が勝利しました!
その後、ダニロ陣営から、「あれは負けていない!判定がおかしい!」などのクレームをいただき、本人もいいくそうに「ドイサン、ボク本戦で勝ったとおもったよ!全力でいったんだよ!延長ではもう力が残っていなかった!」と不満を訴えてきましたー。
私は、確かにどう転んでもおかしくない内容だったが、健太選手は確実にダニロ選手の見栄えのいい強打を防御し必ず攻撃を最後に返していた、
見方によっては見た目でダニロについてもおかしくないがジャッジは健太の正確性をとっていた。ダウンを確実に奪うくらいでないとこのような微妙な判定は存在する、技術面で行くとまだまだ改善面がある、ずっと強打をふるうと審判も見慣れてしまい、対戦相手ももらい慣れしてしまう。だから強弱をつけること、常に正面攻撃するのでなく離れたり、距離も考えて攻撃にメリハリをつけいい攻撃を印象付けるようにした方がいい。そのためには軽い流すマススパーなど行ってみたほうがと伝えたー。
敗戦直後は素直に耳を傾けなかったダニロ選手だが、再戦が決まりコーチをたのまれ、前回の敗戦の原因を立証するためにも、健太選手と同じく、ダニロという今後地上波にキックが戻るために必要な素養の選手のレベル向上のために協力したー。
週に1回か2回ほどの出稽古となったが、以前久保優太戦のために野杁選手を預かった時と同じくウィークポイントをなくし体のバランス、軸の調整をして、しかも息が上がった状態で集成させるというストレスのある練習内容であった。
今回大きく変えたのは、ジャブの高さを変えるとこ、ローキックなど、しっかり踏み込んで蹴り、フルコン時代の名残の足をとめて脚力で蹴るのでなくホースト先生ゆずりにステップしてシフトウェートで蹴るようにした。ジャブは以前かなり低かったため、健太選手に容易にパリーされていた。
ジャブは私はおでこのあたりを狙って打つようにします。そうするとパリーの手より高いので非常に払いにくいです。
特に健太選手は手の位置が低いためこれは効果的と思いました。そしてそのままリングで実践していました!
ホースト先生もですが、ピーターしかりこのジャブで相手のペースを崩すのがオランダ式でもあります。
そしてフックがヒジを下げて打っていたので、ヒジをあげて水平に打つように矯正しました。 ひじが下がると相手のブロックを越えられず容易に防御されやすくなります。今回この右フックが効果的でした。左がまだもう少しなので修正が必要です。
そして、ダウンをうばったハイキックですが、今回流れるようにスムーズに効果的にでていました。
これについては構えを変えたことも大きいでしょう。以前はクラウチングスタイルでアグレッシブが売りでしたがそうするとまた試合巧者の健太選手に読まれやすいです。 そして実はクラウチングより、まっすぐ軸をたてて進んだ方が相手はプレッシャーを感じるのです。
ブアカーオやホースト先生、セーンチャイなどこのタイプですね。
この軸を作るサンドバックの打ち込みがけっこうきついようで途中何度も苦しい表情を見せていながらダニロ選手は耐えていましたー。
初回の練習では無駄な力全開でへとへとでしたが次回以降は力みも取れ慣れてきたようです。
そして軸はよくなり、回転がスムーズになりどんな技も同じ体制で繰り出せるようになりました。
軸を仕上げて、相手の状況に応じて技を変えるだけでホースト先生もピーターもアンデイーサワーも相手を倒します。
これはある意味、武術の当身の理論と同じです。 当たったところに重心を集中してのせるというー。
そして力みも取れ、動作も読みづらく隙もなくなったので健太選手はかなりやりにくかったと思います。
以前のイメージしていたダニロ選手とはまったく別人がたっていたのですから。
こうして変革したのは私のアドバイス、調整もありましたが、ずっとよいコンデイションでリングにたたせるトーマス氏はじめパートナーと、フィジカルトレーニングで肉体改造にも成功したことも大きいでしょう!
そしてなにより素直に前向きに私から技術を吸収したダニロ君の人間力が勝因でしょう!
ダニロ選手の素直な力、魔裟斗選手もそうでしたが周りを味方にして引っ張る力、これがスターの条件かも知れませんー。
当ジムは偉大な師匠のそだった大きなキックボクシングの舞台を再建するために人力を尽くしますが同時に選手が海外の超大物にも勝てる様育てたく、協力を惜しみませんー。 石井館長もすごいところは舞台だけでなく選手も作っていったことだと思いますから!
ダニロ選手、おめでとうございます!そして今後さらに 国内の強豪、城戸選手、日菜太選手らに勝って、マイク・ザンビデイスやブアカーオらと闘い勝利するレベルになってください!
健太選手、同じくキックがメジャーになるのに必要な人材と思います。復活を切に祈っております!キック界にはあなたが必要です!
試合を見るにデイフェンスの強化、体幹の可動域を大きくしてもう少しシフトウェートができることなどがあればさらにバージョンアップできると思います。
またどこかでラバーマッチはあるかもしれません!
ダニロ選手、健太選手、本当にいい選手です、これからも精進して格闘技界を盛り上げてほしいですね♪