代表は27年以上格闘技界におりまして、たくさんの練習方法をおこない、たくさんのファイターと手を合わせて、たくさんの闘いを見てきました♪ それらをもとにした技術解析を時々行ってホーストジムの独特の技術論を展開したいと思います♪
もちろん私独自の見解でもありますが、格闘技雑誌のインタビューでたびたび師匠と同席いたしまして、師匠の技術理論とほぼ重なることが間違いないと確信いたしまして、それらを踏まえての解析をしてみます。
まず、第一回は、先日7月に行われました、”ジョルジュ・ペトロシアンVS日菜太”選手の試合を振り返ってみます♪
先ずは、動画を見てください・・・http://www.youtube.com/watch?v=FeMu-QVX0AI
先ず、サウスポー同志ということで、オーソドックス同志と同じく、聞き手が交差する、いわゆるクロスレンジの闘いですー。
サウスポーVSオーソドックスの場合、聞き手がお互い開く、オープンレンジとなります。
サウスポーの選手は普段、オーソッドックスとの練習が多く、オープンレンジになれてクロスレンジが苦手ですー。
クロスレンジになると、VSオーソッどクスのときのような、左中心の攻撃がしにくいです。
日菜太選手は、左ミドルが強烈な武器であるだけに、ペトロシアンの右のカット、右のキャッチ、合わせの左ストレートに動きを止められてしまい非常にやりにくそうでしたー。 この場合、相手の右半身が前にあるので、逆に右ミドル、あるいは右前蹴りをコツコツあてて、左ストレートが入ってから強烈な左ミドルを入れればと思ってしましましたー。
カウンターのセオリー通り、ペトロシアンの左ストレートに左ミドルを合わせるのは軸のブレないペトロシアンにはかなり至難の業でしょうー。
そしてペトロシアンも、オープンレンジになれているので、どうしても左にヘッドスリップするくせがついています。であるからして、左のクロスなども良い攻撃かもしれません。サウスポーはオープンレンジになれているので、なかなか左フックや左クロスはうちにくいかもですが・・・・ ペトロシアンは、多彩な左のパンチの角度を持っており、相手の距離にあわせてしっかりあてていますね♪
また、ペトロシアンは、右のパンチの当て方が正確、多彩で、この辺も技の攻防で大きな開きになりましたねー。
難攻不落のペトロシアンですが、なにがどのようにすごいのでしょうか?
ずばり、私から見て思うのは、中心軸の強さ、体重移動の正確さです。であるからして対戦相手に比べ体がぶれず、先に攻撃が当たり、最小限でよけれているようですー。 日菜太くんとの攻防をみても、進むにつれ、体のぶれの違いが大きくなり、押されてきているようですー。 中心に近いところからプレッシャーをかけると、相手に大きく作用しますー。 ブアカーオもそうですね。
ブアカーオと戦ったときのペトロシアンを見ましたが、結果はドローでしたが、パンチのディフェンス力はペトロシアンのほうが上だなと思いました。 タイ人は、組むのを前提としていますから、少し、ガードが時々ラフになり、ヨーロッパームエタイスタイルに不覚をとることもあるようですー。
ペトロシアン、タイロン・スポーン、レミー・ボンヤスキーらヨーロッパムエタイスタイルの選手はディフェンス力も優れているので最近はタイ人ですら脅かしていますねー。
ペトロシアンの映像をみて、ホースト先生は、日本人のファイターと大きく違うのは、体重移動で体をしっかり回転させて攻撃している正確さだと以前、雑誌インタビューで答えていました。
私は、中国武術や古武術を練習している観点から、見ますと、ペトロシアンの動きは中心軸を前足、後ろ足に体重移動させて攻撃や防御を行っていると思いました。 上半身だけで動いたりしていません。 映像をみてもわかりますが、頭と腰をつなぐラインがぶれていません。 相手の攻撃が見切れる、うまい選手はここが優れている選手が多いです。 ブアカーオ、しかり、ホースト先生もほとんど頭がぶれません! さて、ペトロシアンの練習方法をユーチューブで見ましたが、ほとんど単調なコンビネーションを繰り返し、バランスのチェックをし、パートナーがミットでディフェンスの空いているところがないかをチェックしているものがほとんどでした。
ホースト先生も同じく、ヤン・プラス先生の決めたコンビネーションをミットでチェックし、ヤン先生がタイミングや空いてるところがないかチェックしていました。 絶対無比の境地にいたる技は単調で奥が深い感覚のものがほとんどです。 感性のにぶいひとは残念ながら達人の感覚を理解できず流して練習してまたいろいろ違う練習にはしりますがー。
ホースト先生はじめ、今回のテーマ、ペトロシアンやあるいわブアカーオなどは性格無比な基本技術がその武器となっているようです!
基本が大事ですよ! 基本練習しながら自分で修正し、実戦練習でえた情報をまた基本の動きの意識に反映させるー。
絶対の境地の近道ですー。
では、ペトロシアン攻略はといいますと、昨年のMAXで、抜群にコンデイションの悪かったペトロシアンを追い込んだザンビデイスやクラウスは、攻略方法として、ツーステップで中に入って連打を当てて惜しいところまで追い込みました。 向かい合った姿勢でワンステップでとびこんで強引にあてに行くと読まれてカウンターを合わされますから、体を振って中に入って確実なタイミングで当てていくのがいいでしょう。 代表も昔はファイタータイプで足を使うタイプに悩まされましたから、追い込みのパターンは大分研究しました。
ホースト先生も今年のインタビューのタイプ別攻略法で足をつかうタイプのパターンでやはり正確にご説明頂きましたー。
カウンターの得意な京太郎選手を追い込んだタイロン・スポーンのパターンですね! また次回に詳しく述べますー。
技術オタクな代表はこの手の話をしたら長くなりますー。
最後に、ペトロシアンの試合を振り返って思うこと、”構えがしっかりしてる人は強いですよ! 構えがちゃんとしてないと強くなれませんよ!” ですー。
以上、長い長い、技術解析でしたー。